文庫プレビューワー Readme

これはなに？

• 印刷プレビューワー（確認用の画面表示ツール）です。
• ルビ（青空文庫形式）や圏点がちゃんと意図通りに表示されるか、およびルビ・圏点を適用した際の行の長さなどの確認に。
• また文庫換算での総ページ数、行折り返しの位置やページをまたぐ箇所などが一目でわかります。

もうちょっと詳しく

• テキストファイルから文庫フォーマットに整形したデータを生成します。
• 文庫に限らず自由な版面設計で利用できます（要カスタマイズ）。
• もともとmi（Mac用テキストエディタ）上で使用するツールとして作成したものです。
• このプレビューワー単体での利用は、web CGI版が便利です。

基本的な使い方

テキストエディタ『mi』を使用する場合【推奨】

　モードファイル一式を配布しますのでダウンロード後解凍してください。
　なお、他にも便利なツールや文法定義スクリプトを同梱しています。

1. メニュー mi → 新規モード追加... から「文庫（タテ組・42W）」をインポート
2. いまインポートした文庫モードを書類に適用
3. メニュー mi → 環境設定... → その他の機能 → #!で始まるツールをUNIXシェルスクリプトとして実行する にチェックを入れる
4. メニュー ツール → P プレビュー を実行
   あとはプレビューファイルを生成からブラウザ上に表示まで全自動です。らくちん！

[Point!] 範囲選択を行った状態で実行した場合、選択された箇所だけがプレビューとして生成されます。

それ以外の場合

　ただのperlスクリプトとして使うことも可能ですが（第一引数にテキストファイルのパスを与えて実行するだけ）、web CGI版を使うのが一番楽だと思います。

便利な使い方

　ソースファイルを直接書き換えることで用紙寸法や文字級数を自由にカスタマイズできます。
　冒頭付近に「初期設定（カスタマイズ可能）」として変更可能な箇所をまとめてありますので、お好きに変更してください。

perlの知識、またはプログラミングに関する簡単な知識を前提としていますので、わけがわからない場合もあるかと思いますがたぶんノリでなんとかなるはずだと思います。ならなかった場合は詳しい人にやってもらうとかしてください。初期設定をいじるだけなら難しくはない（コードをなんとなく読める人にとっては）はずなので。

簡単な説明（重要な項目についてのみ）

各種モード設定

• カラーモード $colormode
  　初期値は 1。0 にすると紙が透明になります。あまり必要のない機能（基本的にいじる必要なし）。
• 見開きモード $spreadmode
  　初期値は 1（見開き）。0 にするとページに左右の区別がなくなります。
• パブリッシュモード $publishmode
  　初期値は 1（オン）。見出し周りの見栄えがよくなります。
  　0 にすると見出し部分も本文として扱います（フォントサイズの変更や改ページなどを行わない）。加えて、内部のファイルパス等の情報を表示するようになります。

[Point!] 見出しの記述方法に関しては後述！

数値設定

• 本文級数 $fontsize_q
  　初期値は11。本文の文字の大きさです。単位は「級（Q）」で、1Q = 0.25mmです。

• 一行あたりの文字数 $cpl

• 一頁あたりの行数 $lpp

• 段組数 $column
  　初期値は順に 42、17、1。読んで字のごとくです。

• 頁ヨコ寸法 $pagewidth

• 頁タテ寸法 $pageheight
  　初期値は順に 105、148（文庫サイズ）。単位は「mm」。

• 頁パディング（頁周囲の余白）$pagepadding

• 頁マージン（並べた時の頁同士の間隔） $pagemargin
  　初期値はそれぞれ4。単位は「mm」。余白関連です。パディングはページの内側、マージンが外側です。

フォント設定

• 本文フォント $fontfamily

• システムフォント $fontfamilyhead
  　CSSでの指定と一緒です。よくわからない場合はそのままにしておくのが無難。
  【！】webフォントには対応していません。

• 圏点に使用する文字 $emph
  　初期値は﹅（ゴマ型）。文章の脇につくあの点々です。

各種見出しの文字サイズ比率

　基本文字サイズに対する倍率で指定してください。

〈以降はちょっとややこしいのでいじらないのがオススメですが、ただレイアウトにこだわる場合は必要になってくるかもしれないところだけ〉

自動計算（およびそれ以降の項目）

• 文字サイズ $fontsize
  【！】ここは変えないでください！
  　文字サイズを変更したい場合は上の「本文級数 $fontsize_q」で。

• 行送り $lineheight
  初期値は基本文字サイズの2倍（$fontsize * 2）。計算後の単位は「mm」。
  行数を増やしてたくさん詰め込みたい場合に真っ先に調整するところ。ただしあんまり小さくするとルビが入らなくなる可能性があります。

• ルビの文字サイズ $rubysize
  　初期値は基本文字サイズの半分（$fontsize / 2）。計算後の単位は「mm」。

• 柱・ノンブルの文字サイズ $hashirasize
  　初期値は基本文字サイズの75%（$fontsize * 3 / 4）。計算後の単位は「mm」。

• 段組間のアキ $columnspace
  　初期値は基本文字サイズの5文字分（$fontsize * 5）。計算後の単位は「mm」。

その他

ルビについて

　青空文庫形式の記述方法に対応しています。

記述例).
「なんじゃ｜小童《こわっぱ》。貴様、この｜儂《わし》が見えるのか」

見出しについて

記述方法

　行頭に半角シャープ（#）のある行は見出し行として扱います。
　シャープの数は1〜6個、数によって見出しのレベルを判別します（要はMarkdownと一緒です）。

• 1個：作品タイトル 【1回だけしか利用できません！】
• 2個：章（大見出し）
• 3個：節（小見出し）
• 4個：項①
• 5個：項②
• 6個：区切り

記述例).
# もこ神さまのいるところ
## 神さまのいるアパート
### 白くて綺麗な拾いもの

• 見出しは大きな文字で表示されるだけでなく、その前後で改ページ等が行われます。
• どのような書式になるかは見出しのレベルにより異なります。
  • 例えば2個（章）の場合は章題のみの扉ページが、3個（節）の場合は本文開始前に柱として節タイトルが挿入されます。
  • ここはもう試してみたほうが早いと思います。
• 上位から順に使う必要はありません。例えばいきなり節（小見出し）からといった用法も可能です。

[Point!] 作品タイトル（#1個）は1回だけしか指定できませんのでご注意ください。

作品タイトルに関して

　上記の見出しレベル１（#）による指定がない場合、ファイル名から拡張子を除いたものを作品タイトルとして扱います。

作者名の指定方法

　見出しレベル１（#）で指定した作品タイトルの前または後に、半角角括弧（[]）で指定します。
　改行はせずにそのまま続けてください。

記述例).
# もこ神さまのいるところ[和田島イサキ]

[Point!] ファイル名中に[]でも指定できます。

プリントアウトに関して

　未対応ではありますが、下記の設定であれば一応うまくいくかもしれません（うちの環境ではうまくいく）。

• 初期設定の文庫フォーマット
• 用紙はA4タテ判（210mm×297mm）
• 4面付

利用規約・ライセンス・著作権等

• 改変・改造等も含めてご自由にどうぞ。
• なんか適当にゆるいやつ（MITライセンス）にしておきました。よっぽどおかしなことしなければ大丈夫だと思います。
• よっぽどおかしなことはしないでください。

更新履歴

• ver 1.2.3_20231116
  　リンクミスを修正
• ver 1.2.2_20230902
  　バグ修正（総文字数の計算に誤りがあったのを修正）
• 20220314
  　このReadmeを少し修正（本体に変化はなし）
• ver 1.2_20220308
  　細かいバグ修正
  　単にMITライセンスを宣言するだけでなく、ちゃんとLICENSE.txtを同梱
• ver 1.1_20201025
  　バグ修正
• ver 1.0 (2018.11.23)
  　公開

文庫プレビューワー（perlスクリプト） ver 1.2.2_20230902
作った人：和田島イサキ（wdzm）　𝕏 (Twitter) / kakuyomu

Copyright (c) 2018 Isaki Wadajima (wdzm)
This software is released under the MIT License, see LICENSE.txt.
https://opensource.org/licenses/mit-license.php